生活

日々の生活のことを書きます

写経で文章がうまくなりたい1

 ブログを書いているのだから、やはり文章がうまくなりたい。軽妙で洒脱な文章、あるいは論理構造が一貫していて、読むとすっと中身が理解できる文章。うまさにはそれぞれ基準はあるが、とにかく文章がうまくなりたい。

 文章がうまくなるための方法は古今東西いろいろな方法があるらしい。さる小説家は、夜な夜な妻に小説を読み聞かせてもらったり、音読してじっくり本を読むことを推奨する作家もいる。とにかく本をたくさん積め、読め、という話もある。

 様々なメソッドの一つとしてあるのが写経だ。ようするにとにかく写せ、である。私個人としては家の壁が薄くて音読が難しい。読み貸せてくれる、妻も恋人も友人もいない、という理由で音読は却下。たくさん読むのも時間的に難しいし、普段の読書でいいのではないかと思ってしまう。

 というわけで写経をしてみることに決めた。

 とはいえ写経という方法論にもいろいろとあるらしい。ワードでもいいのか。ペンでノートに直接書くべきだ。一分ごとに段落を開けるべきか。移すのはウェブの記事にするべきか、しっかりと校閲の入っている紙の媒体にするべきか。どの方法論を取るのか悩ましい。

 ブログにしたためる前に何度かやってみたところ、個人的にはワードで一文ごとに一段落開け、写す文章はウェブ、紙関係なくやるのが、つらくなく、かつ内容をしっかりと吟味しやすい方法という感じになってきたのでしばらくそちらでやってみることにする。

 これから先のブログには、やってみて感じた効果や写した記事の要約を記そうと思う。

 

本日2020年11月10日に移したのはPresidentオンラインにてジャーナリスト笹井恵里子氏が執筆した記事

「2センチの虫が数千匹」ごみ屋敷で暮らす公務員男性の不気味な依頼

President本誌でも連載を持つ、主に医療系の分野を主軸にしているジャーナリスト笹井恵里子氏が執筆。ゴミ屋敷清掃員として一緒に働きながら、ゴミ屋敷清掃員として働く者たちの日常やごみ屋敷で暮らす人々の背後に潜む社会病理を描き出していくといった風のいわゆるルポ物の連載である。

その第3回目がこちらの記事だ。

タイトルはいかにもインターネット受けしそうな煽情的なものだが、何故”普通の人”がゴミをため込み、生活ができるとは思えないゴミ部屋、ゴミ屋敷で生活をしてしまうのか、そこに潜む”ためこみ症”という精神疾患の存在が、大学教授の話、笹井氏が実際にゴミ部屋清掃に従事した際の考察でもって解説されている。

登場する九州大学病院精神科中尾智博教授によれば、ためこみ症と定義される人は

①物を大量に集める、②整理整頓ができない(食べても置きっぱなし)、③物への執着が強くて捨てられないの3つの症状があるのだという。

個人的には当てはまる部分はほとんどないのだが、遺伝要因もあり、何らかの精神的な負担がきっかけで症状が出る場合もあるのだそう。

私自身明日も知れぬ一人暮らしの身なので、十分に注意しておいた方がいいのかもしれない。

 

 

 

 

真女神転生3 HDR(リマスタード)をプレイした

10月29日に発売された真女神転生3HDR(HDリマスター)クリアまでプレイしたので、変更点やプレイしてみて感じた点をまとめていく。

(プレイ時間約40時間)

 

女神転生HDRの変更点

変更点と言っておきながら元も子もないのだが、真女神転生3HDリマスターは細かな違いこそあるもののデビルサマナー葛の葉ライドウ対アバドン王Plusに同梱されたMANIACSクロニクルと基本的には全く同じゲームだ(DLCを購入することで、ライドウの代わりにデビルメイクライシリーズのダンテが登場するMANIACS準拠にすることもvできる)。

大きく変わった点は全編フルボイスになった点、画質、新たな難易度MERCIFULだろう。主人公である人修羅(榎木淳也)や三つのコトワリの中心人物となる、勇(江口拓也)、千晶(上田麗奈)、氷川(小野大輔)そして裕子先生(三森すずこ)など中心人物だけでなく、物語の要所要所に出てくるボス悪魔たちやMANIACSオリジナル要素の魔人達、マネカタやジャンクショップの店員たち、そしてみんな大好き陛下にもボイスが当てられている。個人的にはDLCを購入すると、登場するダンテのCVがデビルメイクライと同じ森川智也氏だったのがたまらなかった。

ただ、メガテンのストーリーやセリフ回しは、月刊ムーや殺人犯の心理プロファイリングに関する書籍を読み込んでいる層が好みそうな、いわゆる中二臭さがあるのも事実。ボイスが当てられることでより匂い立ってしまう箇所がもあった。〇ボタンをひたすら推すことで早送りにはできるが、どうしても気になる場合は、メイン画面でオフにできるので利用してみるのもありだろう。

 

画質はそれほど気にならないかも ただ女性悪魔の胸元やトール様のプリケツははっきりしているぞ

 そもそもが悪魔絵師と呼ばれる金子一馬デザインありきのゲームだPS2版でほとんど完成していたといってもいいだろう。ワンダの巨象のリメイク版やPS4やSwitchなどで発売されている、FF7FF8ほどの大幅な画質の変化などはない。ただ、細かい部分の彩度が上がったためか、悪魔の表情の機微や細かい線などは分かりやすくなった。目立つところでは、より女性悪魔の胸元などの線がきれいに見えるようになった。物語の主要キャラの一つであるトール様のプリケツもPS2版に比べて陰影のはっきりとしたいい仕上がりになっている。

MERCIFULはほとんど別ゲームになる難易度、時間がない人はありかも

元々真女神転生3は難易度設定のないゲームだったが、2004年に発売された、いまでいう追加コンテンツ同梱版、真女神転生3MANIACSの登場によって、無印準拠のNORMALに加えてより骨太なHARDが追加された。HDリマスターではMANIACSに準拠しNORMAL、HARDが用意され、そこに新たにMERCIFULという難易度が設けられた。

MERCIFUL(慈悲深い)という名前の通り、取得経験値、マッカ3倍、悪魔出現率が低下と、異常に優しい難易度だ。発売前、YouTubeで放送された生特番では、ポチポチしているだけで進められる難易度とうたわれていたが、まさしくその通り。正直なところ、真女神転生3のだいご味はである道中の高難易度の戦闘は全くなくなるのでほとんど別ゲームになってしまうといってもいいものだ。だが、ストーリーに集中したい方にはありかもしれない。

また、難易度はプレイ中メニュー画面で自由に切り替えができる。ゲームに集中したい方も使い方によっては便利なシステムなのだ。面倒なレベル上げはMERCIFULで行いゲームはNORMALやHARDといった楽しみ方もできる。

女神転生シリーズならではの骨太な難易度のゲームでパトり*1すぎてめげそうになる初見プレイヤーはすくわれるだろう。

加えて真女神転生3当時のゲームにしてはかなりボリュームの多いゲームだ。特にチャートだてをせず、ボスや道中の敵との相性などを考えながら悪魔や人修羅の育成を行いながらプレイすればクリアまでに少なくとも40時間くらいはかかる。

アマラ深界も含めるとそれにプラスして10時間から20時間くらいはクリアまでかかるだろう。ちなみに、真女神転生3、真女神転生3MANIACSのRTA動画もYouTubeには上がっているが、グリッチを使用しないものだと、30時間弱のほどクリアまでかかっているものが多い。

正直なところ真女神転生3が発売された2003年頃に思春期で今大人になった人間が懐かしんでプレイをするには少々骨太なゲームなのだ。だが、難易度MERCIFULや坊ちゃまの情けをはじめとしたDLCのおかげで、もっとも時間のかかるレベル上げ、ステータス上げの部分が簡易化されている。

会社勤めで時間がないけれどプレイはしたい、時間のない大人にも優しい仕様になっていると感じた。

DLCでレベル上げ、マッカ集めが簡単に

 その他にも細かい変化として、中断セーブが可能になった点、有料DLC(坊ちゃまの情け(レベル上げ)・主の期待(マッカかせぎ))により簡単にレベルアップ、マッカかせぎができるようにもなっている。

 真女神転生3は今でもプレイしている人間もいる人気、古典的な名作といってもいいゲームだ。だが、今から約20年前に発売された、いわゆるレトロゲーといってもいい作品でもあり、よく言えば古き良き、硬派な高難易度、悪く言えば理不尽なゲームでもある。そういった点を考えると、無印、MANIACSに比べ遊びやすくするための配慮がなされていると感じた。

処理落ち、動作のもっさり感など気になる点も

 次世代機で発売されていることを考えると、少々問題になる点も報告されている。私がプレイしたところで感じたもので言うと、動作がもっさりしている箇所があるのがその一つだ。悪魔合体時にスキルを選ぶために、ガチャマラソンのような作業をしなくてはいけないのだが、そこのレスポンスがPS2版に比べると遅いように感じた。それ街にも戦闘に入る一瞬、PS2版ではなかったような遅延が感じられる箇所があった。

 私PS4版をプレイしているときには起こらなかったのだが、PS4版、Switch版それぞれで処理落ち、そこからのゲームの強制終了の事例が少なからず報告されている。RPGではかなり致命的な症状だろうだ。今後のアップロードで直されるのか、注視したいところである。

 

 

フルプライスは少々割高に感じるかもしれない

 全体を通して、特に大きな変化はなく、当時真女神転生3をプレイしていて、またプレイしたくなった方、真女神転生IVやペルソナシリーズをプレイしていてやりたくなった方には悪くないゲームだろう。

 無印の真女神転生3をプレイするにはPS2 が必要だし、MANIACSに至っては数か月しか発売されていない、プレミアソフトの一つだからだ。PS2を買わなくても、無理にプレミア価格のディスクに手を出さなくてもプレイできるのはありがたい。

 一方でフルプライスに近い価格、しかもMERCIFUL以外のDLCは全て有料というのは正直割高感を感じずにはいられなかった。というのも先ほど説明した不具合のように、細かいところで粗が気になる部分があるからだ。

 ボイス面でも、ほぼすべてのと書いたのだが、一部、ストーリーにかかわらないボスではボイスが入っていないものも見られた。

 初代真女神転生に始まり、バグや微妙な完成度の低さはある種味のようなものとして受け入れられてきたわけだが、次世代機でリマスターしたものがレトロハードにも上げられるPS2でも起こっていない不具合が起こるのはさすがに味ではないだろうと思う。

 

終わり

 

真・女神転生Ⅲ NOCTURNE HD REMASTER - PS4

真・女神転生Ⅲ NOCTURNE HD REMASTER - PS4

  • 発売日: 2020/10/29
  • メディア: Video Game
 

 

 

 

*1:倒れている人修羅を複数の天使が取り囲むという真女神転生3のゲームオーバー画面がパトラッシュのラストに似ていることから

モータルシェルをプレイした 

 今では一つのジャンルを指す言葉にもなったソウルスライク。毎年、インディ、メジャー、PC、プラットフォームで必ず何作か新作が登場する、人気のジャンルの一つ。2020年8月に発売されたモータルシェルもその一つだろう。本作は数あるソウルスライクゲームの中でも、元となったソウルシリーズ(フロムソフトウェア制作デモンズソウル、ダークソウル1,2,3を主に指す)の雰囲気も十分に反映させつつ、オリジナリティも盛り込んだ良作ということで発売前から話題を集めていた。クリアまでプレイしてみたので感想を記す。

 プレイ時間約15時間(一周目クリアまで)

モータルシェル ストーリーの概要

 荒れ果てた土地フォールグリムに降り立った異次元の半人半神が主人公。そのままの姿では非常にもろく、ひ弱な主人公はフォールグリムに各地に点在する、途上で力尽きた他の戦士たちの肉体(シェル)を利用しながら、フォールグリムの各地に点在する、巡礼所を目指す。といった内容これといったストーリーは明示されることはなく、NPCの語りやプレイを進め能力を強化していく中で明らかになる4つのシェルの氏素性、各種アイテムのフレーバーテキストを読み、解き明かしていくという流れになっている。このあたりは難解なストーリーで知られるソウルシリーズにも通じるものがあるだろう。

 

モータルシェルにはレベリングの概念はないぞ

 モータルシェル世界の中心となる、基本マップ“フォールグリム”のほか“荒れ果てた霊安堂”“悠久の拝廊”“遺跡の敷地”三つのエリアをめぐり、線と呼ばれるアイテムを集めるのが主な目的となる。

 ゲーム内容はソウルシリーズにも通じるアクションRPGだ。フォールグリム各地に点在した4人のシェルを使い分け、マップを攻略していく(オープンワールドではなく、ロードを挟むタイプ)。本作ではRPGではあるが特にレベリングの概念はない。経験値となるター、そして強敵を倒す、特定のアイテムを使用した際に手に入る一瞥を使用することによって、各種シェルの隠された能力を開放していくことで、強化していくという流れになっている。ソウルシリーズや類似作品でいえば、Sekiroに近いシステムといえるだろう。

 武器はこちらも最初に手に入る“巡礼者の剣”を含めて4種類。フォールグリムの各地にいる、武器を守る守護者ハダーンを倒し、手に入れることになる。武器はそれぞれ、特殊ギミック2種類、基礎能力の向上が5レベルまで用意されており、特定のアイテムを集めて強化していくことになる。なお、RPGとは銘打っているものの、基礎能力を上げるアイテム“焼き入れ用の酸”は周回内で手に入る個数が限られているために、やりこみたいプレイヤーは周回プレイが必要だ。

 基本的な戦闘、ハクスラタイプ。相手の攻撃をよけ、切ってダメージを与えていくという流れだ。良くも悪くも敵の動きもプレイヤーキャラの動きももっさりしており、それぞれのターンをしっかり意識しながらプレイできるだろう。また、武器に応じて、特殊攻撃も用意されており、体力バーの上に表示された“決意”(敵を倒す他アイテムを使用することが回復する)を使用することで武器エンチャント、あるいは強力な一撃を放つことができる。このほかにソウルシリーズではおなじみパリィも可能だ。敵の攻撃をうまく受け流した後は決意を消費することで強烈なカウンターをお見舞いすることができる。

 

モータルシェルにも篝火はあるよ

 ソウルシリーズと言えばおなじみ休憩&レベリングの場所である篝火。本作でも似たよいーと一瞥を利用した能力の解放ができるほか、場所に応じて物語の内容を解き明かすために必要なありがたいお話を聞かせてくれる。(これはあくまで個人的だが、かぼたんとまで言われて、愛されている、ソウルシリーズの火防女に比べると無機質でかわいくない。)

 

 ちなみに基本的に終盤ファストトラベルのためのアイテムを確保するまでは、各地のシスタージェネーシャの場所にワープすることはできず、自分の足でフォールグリムの各所を右往左往することになる。

ひりひりするような難易度です。

 難易度はモータルシェルの開発側が公式に高難易度とうたうだけあって、かなり骨太だ。いたるところに奈落があり、気を抜いてあるけない。敵も硬く手ごわい。武器を強化できていない序盤ではこちらの攻撃は3分の1も通らず、敵の攻撃で半分くらい削られてしまうということもある。敵の攻撃パターンを覚え、見切り対処していくことがたとえ道中のモブであったとしても求められている。

 パターンを見極める必要性をより高めているのが回復手段の少なさだ。モータルシェルではエスト瓶のような休憩すると回復するタイプのアイテムはなく、道中に落ちているキノコやネズミを拾って食べることになる。個数が限られるため、回復アイテム管理にも気を使わなくてはいけない。

 また、シスタージェネーシャと会話すると、倒した敵は復活してしまう。アイテムを回収するために邪魔、ターを少し稼ぎたい、そういった目的がない場合は、基本的には敵の配置、攻撃パターン、プレイしているシェルのスタミナをしっかり管理して、ボスにたどり着くまで、とにかく逃げるか一体一体をおびき出して個別に撃破していくプレイが必要になってくるだろう。

 無残にも死んでしまった場合はソウルシリーズと同じように、死んだ場所にソウル、本作ではシェル(ターと一瞥)が残され、獲得する前にまた死亡するとロストするという流れになっている。

 一応開発者側の良心か、二度(シェルによっては複数回)までは死亡しても問題ないようになっているのだが、それでもコントローラーを投げたくなるような難易度には変わりがない。

 

細かい部分では完成度の低さも

 本作モータルシェルはインディーデベロッパーが手掛けた本格的な3DアクションRPGである。4人のコアチームによって作られたそうだ。こういう点で見ると、かなりクオリティが高い作品といえるだろう。ただ、進行不能のバグこそないのだが、完成度という点では少なからず違和感を感じたのも事実だ。

 一つはゲームボリュームの少なさ。少ないだけではそれほど問題はないのだが、無理やりかさましているようで、冗長に感じられる点もあった。まずモータルシェルではファストトラベルが基本的にはできない。昨今のゲームでは当たり前にもなってきた、離れたマップ間を自由に行き来できる機能だが、これが、モータルシェルではゲームの最終盤までできないようになっている。

 確かに、モータルシェル世界の中心である、フォールグリムのマップ全体はそれほど広くはない。敵の種類や配置、操作に慣れれば特に問題なく行き来できるだろう。だが、モータルシェルの道中の敵は強敵ぞろい。加えて、厳密にいえばモータルシェルはアクションRPGではない。特定の能力を開放すれば問題なくクリアできる、アイテムの回復アイテムなどは別として、強化アイテムには個数制限がある。つまり、マラソン、いわゆるレベル上げやアイテム集めの必要性はそれほどない。ゲームを進めれば進めるほど、行き来する場所が多くなればなるほど、フォールグリムをうろうろする必要も、モブ敵を倒す必要性も薄れていく。だが、特定のアイテム(モータルシェルにはこれといった決まった進行順はないのだが、おそらく最終盤でないと手に入らない)がなければ、各所を自由に移動することはできない。ここにものすごくフラストレーションがたまった。

 また、雑魚、ボスをはじめ、とにかく敵が堅い。特に序盤はつらい戦闘を余儀なくされる。敵の行動パターン、こちらが対処できる手段もそれほど多くなく、交わして一撃を入れる、決意がたまったら、特殊攻撃、あるいはパリィで倒す。といったように戦闘がパターンかされがちだ。アクションももっさりとしており、正直なところ、爽快感のあるプレイは期待できない。終盤に連れて冗長さを感じてしまった。決してモータルシェルは駄作ではないと思うのだが、アクションを決めたときの爽快感があるタイプのゲームではないと感じた。

 ストーリーもNPCからうっすらと説明されるくらいで特になく、クエストや特定のNPCイベントもほとんどない。だいたい15時間、早い人であれば数時間もあればモータルシェルをクリアできてしまうだろう。

 クオリティの面でもやはりフルプライスのゲームに比べると落ちるように感じられた。カメラワークがおかしくなるところがゲーム中、少なからずある。エリアボスの一体では、第二形態に移行する際に明らかなバグといっていいほどカメラワークが乱れていたり、ロックオンがしづらかったりと難がある面も見られた。

 

ソウルシリーズへの愛は感じられる

 とはいえ、モータルシェルは影響をうけたと思われる、ソウルシリーズへの愛に富んだゲームだとはいえるだろう。プレイヤーが近づくと、のそりのそりと立ち上がり、襲い掛かってくる敵。敵を排除して、悠々自適に歩いていると物陰に隠れていた残りの敵に囲まれ、タコ殴りにされて死亡。思わぬところにある奈落に落ちていく自キャラ。難解ではあるが、順を追ってみていくことで、うっすらと物語の背景がわかってくるフレーバーテキスト。などなどソウルシリーズが好きなプレイヤーならニヤニヤしてしまうところはたくさんある。雰囲気は非常にいいゲームだ。

  また、シェルという機能もソウルシリーズとは違った独自性があり、面白い。ただ、やはりソウルシリーズを愛する人間が作ったソウル風ゲームの域は出ていないように感じた。

 未プレイなので、詳しい言及は避けるが、プレイ動画やレビューなどを見ると、バイオハザードに影響を受け、イタリアのインディーデベロッパーInvader Studios(バイオハザードの非公式モッドなどを手掛けている)が発表した、daymare1998という作品と通じたものがあるように思う。

www.4gamer.net

ゲームとしての完成度は正直なところ、疑問点が残る部分もあるが絶妙な難易度で、プレイしていくたびに実力が付く、達成感のようなものも味わえる。ソウル好きならにやりと出来るシーンもある。そんなゲームだ。個人的には正直ゲームのボリューム、完成度から考えると価格は少々割高に感じてしまったが、好きな人にはたまらないゲームだと思う。

 

 

Mortal Shell (輸入版:北米) - PS4

Mortal Shell (輸入版:北米) - PS4

  • 発売日: 2020/10/23
  • メディア: Video Game
 

 

 

さすがにモバイルWi-FiではPSNowは遊べなかった。

 11月12日にPS5が発売される。そのローンチタイトルの一つがデモンズソウルのリメイク作品。2009年に発売され、PS3専用ソフトでゲームオブザイヤーも受賞した、名作だ。のちに続くソウルシリーズ(ダークソウル1・2・3ブラッドボーン等)の骨子となった作品である。リアルタイムではプレイできなかったが、ソウルシリーズをプレイしていたこともあり、常々プレイしたいと思っていた矢先の発表である。ちなみに、デモンズソウルはPSNowでも、プレイが可能。予習のためと思い、プレイしてみることに。

 プレイするにあたって気になったのがモバイルWi-Fiでもプレイできるかどうかだ。工事が面倒くさいという理由で有線の回線を通しておらず、モバイルWi-Fiを利用しているからである。

 結論から言うと、プレイ自体は問題がなかった。多少ラグが出る時があるものの、敵に囲まれても、エフェクトが激しい技を使っても、処理落ちすることはなく、快適にプレイすることができた。

 PSNowの推奨環境は5Mbps/sである。それに対して、現在私が利用しているモバイルWi-Fi(ワイマックス2+、上りが15.4Mbps下りが40Mbps)の通信速度は一応基準は満たしていた。

 ただ、一点問題があるとすればデータ使用料の多さだろう。ゲームをしているのだから当然と言えば当然なのだが、2時間ほどのプレイで3gbほど使用してしまった。モバイルWi-Fiだとデータ使用無制限とうたっていても事実上は制限があるので(私の使っているものは3日間で10gb)普通に遊んでいたら、あっという間に速度制限がかかってしまうだろう。

 デモンズソウルに限らずソウルシリーズは、モニターにかじりつきながら、何時間も試行錯誤を繰り返し、攻略していくタイプのゲームだと個人的に思っているが、そういった遊び方はできない。悲しいものである。素直にPS5とデモンズソウルリメイクの登場を待つべきだろう。

 

 

    

 

ザ・ボーイズ シーズン2を全部見た

 ザ・ボーイズシーズン2を全部見た。冒頭3話の展開が個人的には悪趣味であまり見ていられないなと思っていたのだけれど、8話全て見切ると、冒頭の悪趣味な展開にもしっかりと理由があり、オチが付き、シーズン1と同様楽しめる作品だった。

 全体的に見ると、シーズン1にもまして昨今の政治的に正しくなければエンタメじゃない、という考え方へのアンチテーゼが見られたように思う。(もちろん、原作では男性だったキャラが女性になっていたり、一定の配慮はあったけれど)

 正直なところを言えば、冒頭3話ではそれが悪趣味な形で出ているように感じてしまった。鯨を惨殺してみたり、白人ヒーローが逃げまどう黒人をこれよがしに殺したりするシーンが続き、少し食傷気味になってしまった。ただ、8話続けてみてみると、相変わらず、狂っているホームランダーの異様さ、しかしながら、家族を求める切なさ。

 ブッチャー率いるザ・ボーイズの行く末、ブッチャーの妻であるベッカと彼女の息子であり、そしてホームランダーの息子であるライアンの関係。そして、クイーンメイブやスターライトのヒーローとしての葛藤。

 そして、冒頭描かれた白人至上主義者、というよりはナチなヒーローストームフロントの滑稽さや、こうした過剰な思想を持つ人間がインターネット上で影響力を持つことの恐ろしさみたいなものもしっかり描かれていて、単にエンタメとして面白いだけでなく、社会をどのように描くか、という点でも脚本側の考え方がしっかり表れていてよかった。

 ちなみにドラマ版はシーズン3で完結らしい。まだ明らかになっていない謎。とりわけ水面下で話はでていたもののストーリーの流れにはそこまで関わらなかった、ディープやAトレインが入信したカルト教団の行く末。終盤、実は裏ですべての糸を引いていたことをにおわせるニューマン議員は果たして何者なのか、ライアンの行方はといった点がどうなるのか、今から楽しみ。

高橋のぼる 『劉邦』 を読んだ。 歴史漫画でもやはり高橋のぼる作品だった

 小学館の漫画アプリ、マンガワン高橋のぼるの『土竜の歌』を読んでいたらよく出てくるお勧め作品『劉邦』を読む。主人公は中国前漢の皇帝、高祖・劉邦泗水郡沛県豊邑中陽里(現在の江蘇省徐州市豊県)で生まれ育った町のごろつき、劉季。武勇も才気もない彼がどのようにして後に中華を統一したのか、その生きざまを描く。といった作品。

 

 史実にはある程度基づきながらも、土竜の歌に代表されるような高橋のぼる節が効いていて、非常に面白いエンタメ作品だ。特に史実にある様々な逸話が荒唐無稽でありながらも、読んだ人間をだまらせてしまうような力技で描かいている。

 劉邦の軍師となる張良には怪力の力士に重さ120欣(約30㎏)の鉄槌を投げ落とさせて、博浪沙(現在の河北省陽武県の南)で巡行中の始皇帝を暗殺しようとしたとされる逸話がある。史実によれば、暗殺は失敗、張良と力士はそれぞれ、別の方角へと逃げ、張良はのちに劉邦の軍師に、力士はその後行方知れずとなっている。

 それを高橋のぼるは力士を怪力無双の奴隷に変え、中国の神話で天地開闢の神とされる盤古と名を与え、張良との山籠もり、ハンマー投げの特訓の日々を描くのである。史実の通り、暗殺は失敗するわけだが、そこで高橋のぼる盤古張良を助けるために命を落とす役目を与えて、張良始皇帝への復讐に駆られていた自分の生きる意味とは果たして何だったのかと考えるきっかけとして、のちになぜ才気もなければ武勇もないとされる劉邦の軍師となったのかにつながる布石にしている。

 このように史実では描かれることのない、点と点の間の線が全部高橋のぼる味で味付けされている。

 劉邦とその盟友でもあり、のちに宿敵になる項羽の描き方も面白い。劉邦一行の流れはとにかくコミカルで、極力血を流さずに田舎のごろつきだった劉邦がその強運と人としての魅力、それだけでごろつきから一国一城の主へ、そこから、という姿を描くのに対し、項羽のたどる道は全く異なる。ある種その苛烈さゆえに敗れることになった項羽の武人としてしての姿、強さゆえに周囲を寄せ付けないその孤独のようなものを史実には登場しない恋人、彼女を失う姿でもって描いている。

 劉邦が各地の女をなかせ、部下に恨みごとを言われながらも愛されているのとは対照的で、描き方が見事だった。

 とはいえ、まだまだ物語は前半部分。史実でいうとまだ秦打倒のために劉邦項羽が義兄弟を結んだ当たり。劉邦の周りは今のところコミカルで温かみがあるのだが、史実でいえば今後、姑息で卑劣で、権力を守るためには腹心すら命にかけようとする王としての傲慢さみたいなものを見せ始める劉邦、そして苛烈がゆえに秦を打ち滅ぼしたあと、次第に追い込まれていく項羽の姿どのように描かれるのか、気になる。

 

劉邦(1) (ビッグコミックス)

劉邦(1) (ビッグコミックス)

 

 

 

 

起業家的な

 

 

カイロ大学 感想 混沌と闘争の学府の名に偽りなし

 もう、情報の海に流されてしまったような感が否めないが、一時前まで文芸春秋社から出たノンフィクション『女帝 小池百合子』の存在により、小池百合子東京都知事カイロ大学を卒業していないのではないか、いわゆる「学歴詐称疑惑」が再燃していた。

 その流れで、注目を浴びたのが小池氏が学んだとされる中東一の大学との呼び声もある”カイロ大学”だ。果たしていったいどういう学び舎なのか気になったので、実際にカイロ大学に留学した経験のあるジャーナリスト浅川芳裕氏の著作『カイロ大学』を手に取った。

 本書は簡単に言えば、浅川氏がカイロ大学留学記である。大学に入学するまで、そしてカイロ大学の建学史、それを彩る、思想家たちや、ウサマヴィンラディンやサダムフセインアラファト議長など中東社会を率いた人間たちの人物伝。そして浅川氏のカイロ大学生活やカイロを離れるに至った顛末が記されている。

 一言で言うなら大迫力な内容だ。浅川氏がカイロ大学に入学した経緯すらまともではない。取り合わない事務方、どうにかするために文部大臣に直談判の上、なんとか入学できたという。口八丁手八丁、人脈や金、時には物理的に”脅す”ことによって、成り立っている、日本やアメリカの試験に受かれば入学できるという一般的な入試制度からは考えられない、非合理な制度だ。

 大学の講義もまともではない、異常な人口密度、普通の講義に数百人は当たり前。合間合間に休憩時間などなく、まともに授業を受けていたら次の講義には必ず遅刻する。教員の給与は少なく、自身の書籍を買わせるために講義立てたりする。場合によっては座学の時間ではまともな説明をせず、単位を何としてでもとりたい学生を自身の有料の個人講座に参加させるようなことまでする始末。しかもそこに絡んでくるのがエジプト当局。権力の監視の目すら光っており、そこも金と人脈と口八丁手八丁での交渉が余儀なくされる。本書で形容される”混沌と闘争”という言葉通りのカオスぶりである。

 こんな流れを見てから小池百合子都知事について考えると、出所不明な卒業証書が出てきてなんだかよくわからないうちに丸め込まれてしまっている現状というのも納得できるような気がする。こんな大学でまともに卒業することにどれくらいの意味があるのか、むしろ小池百合子のような人材を輩出する場所であることに意味があるような気もしてくる。

 そんな混沌と闘争の学府、本書の中で浅川氏はなかなか執拗に進めてくる。確かに、実際に権力が介入してきたり、そこを自らの力で切り抜けるという唯一無二の体験はできるかも。私もついつい若いころだったら通ってみることを考えてもいいと考えてしまった。

 ちなみに書籍の方は絶版なのでプレミア価格だが、kindle版は普通の新書値段なので、そちらで購入するのをお勧めする。

 

カイロ大学 (ベスト新書)

カイロ大学 (ベスト新書)