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写経で文章がうまくなりたい4 山谷のけんちん汁屋は町の盛衰をどう見ていたのか

今日読んだのは最近女性自身で掲載された記事『

『山谷のけんちん汁店』 84歳の店主が見た日雇い労働者の町の盛衰

だ。

平成の初期から労働者の町通称山谷*1地区でテイクアウト形式のけんちん汁屋『大倉屋』を営む石橋新平さん(84)ヒロ子さん(83)の語りや日常を頼りに、山谷の今に迫る記事。

 

山谷はいわゆる簡易宿泊所*2が立ち並び、日雇いの肉体労働者が集まる街として知られる。高度経済成長期には東京タワーやオリンピック競技場の建設など様々な歴史的建造物を作る際の労働力がこの町から提供されていった。

 

とはいえ、最盛期には数百件の簡易宿泊所が軒を連ね、常時1万人以上の労働者がねとまりしていたという町の賑わいは今は鳴りを潜めている。町の開発により、以前の簡易宿泊所はマンションなどに建て替えられ、労働者たちも4千人足らずにまで減ったという。しかもほとんどが高齢者、そのうちの9割は生活保護を受給しているという。

 

一時期はインバウンドの受容もあったようだが、新型コロナウイルス感染症の影響で、需要は減り、新平さんも記事中で語っているように「すっかり寂しい街になっちゃった」ようである。

 

特に過剰にあおるでもなく、いわゆる知的好奇心に準ずるでもなく、坦々と石橋夫妻の生活がつづられている。こういうのが書けるようになるとよいなと思える文章だった。

*1:東京都台東区北部から荒川区の南端あたりの地域をさす。最寄り駅はJR常磐線南千住、大阪の西成、横浜の寿町とならんで日本3大ドヤ街とも呼ばれる

*2:ドヤとも呼ばれるこちらの方が呼び名としては、広まっているようにも思えるが、あえて、文中では使っていないようであった